●定期的な耳掃除の受診は2、3カ月で!
●耳あかは、遺伝的に湿性、乾性の2タイプ
●綿棒でも月2回以上の耳掃除はダメ!
耳あかについて
耳垢(じこう、みみあか)は、外耳道(耳の穴から鼓膜までの通り道)の入り口付近に貯まってくるものです。
耳垢には、乾燥したタイプ(乾性耳垢)と、粘り気のあるタイプ(湿性耳垢)とがあります。これは遺伝的に生まれつき決まっているもので生涯変わりません。
日本人は約70%が乾性耳垢で、約30%は湿性耳垢です。
湿性耳垢の方が病気というわけではありませんが、粘り気があるため比較的外耳道を塞ぐようになりやすいというのはあります。
外耳道が健康な限りは、ベルトコンベアーのように徐々に耳垢を外に押し出す力を持っています。
毎日のように掃除をしていると外耳道を傷つけて、その力がなくなってしまったり、痛み、かゆみなどがでる外耳炎になったり、奥に耳垢を押し込んで聞こえが悪くなることもあります。
またお子さんの場合は動いて鼓膜を破いてしまう危険もあります。
耳掃除のしかたは?
おうちで耳掃除をする場合はごく外側だけにして、奧は触らないことです。他の人にしてもらう時も、明かりの下でよく見えるところまでにしたほうが安全です。(それでも外側だけ!)
頻度としては月に1~2回以内にするほうが良いです。
掃除には清潔な綿棒を使うのが最も安全ですが、それですらこするようにすると炎症を起こします。
お子さんやお年寄り、耳垢がたまりやすい方は、数ヵ月に一度くらい(代謝速度や外耳道の広さなどにより個人差はありますが)でも構いませんので、耳鼻科を受診して耳掃除をしてもらうことをお勧めいたします。
プールや海に入ると中にたまった耳垢が水分を含んで膨張したり炎症を起こす可能性が高まりますので、その前には特に耳垢の確認をしたほうがよいと思います。
耳垢の除去は医療行為として認められたものです。
“耳垢の掃除のためだけに受診してもいいの?”
と気にされる必要はありません。お気軽にお申し付け下さい。